白番で、ポーン得をねらうと、どうなる。

図は、1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nc3 Nf6 4. Bg5 Nbd7 までの局面。ここまでは、定跡的な手順です。この図から、
5. cxd5 exd5 6. Nxd5 と進んだとき、
6... Nxd5 と、白のナイトが捕られたら、
7. Bxd8 と、白は、黒のクイーンを取ってしまいます。黒が、6... Nxd5 としなければ、白のポーン得になりそうです。

さて、図から、白は、ポーン得を狙って、
5. cxd5 と、ポーンを捕りに行っても良いのでしょうか。


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5. cxd5 と、ポーンを捕りに行くのは、間違い。

5. cxd5 exd5 6. Nxd5 Nxd5 7. Bxd8 (下図) と、白が黒のクイーンを捕った後、

7... Bb4+!! 8. Qd2 Bxd2+ 9. Kxd2 Kxd8 と進んで、黒のナイト得。黒勝勢。

この問題も、以下のページより、引用しました。
http://www.geocities.jp/transbowler/HowNotToPlayChess.html#DoNotMakeTheOpening

エフゲニー・アレクサンドロヴィチ・ズノスコ＝ボロフスキー(Eugene Alexandrovich Znosko-Borovsky(1884-1954))著　『いけないチェスの指し方(How Not To Play Chess)』　水野優訳
----------以下引用
黒は 6...Nxd5としてクイーンを捨てるからである！　しかし、7 Bxd8 Bb4+の後、白に選択肢はない。クイーンを合駒にするしかないので、8 Qd2 Bxd2+ 9 Kxd2 Kxd8. クイーンを取り返した黒は、ピース１個丸得となる。賭けてもいいが、4...Nbd7を指すプレーヤーの100人中99人は、この手のクイーン・サクリファイスの狙いになど気付いていない。そして、この手筋を教えられるとびっくり仰天するのである。
----------以上引用

この文の中で、著者は「序盤の手をよく考えずに機械的に指してはいけない」と教えてくれています。
最初の図の 4... Nbd7 の手は、チェスマスターでも指す手であるが、アマチュアが、この手の意味も理解せずに、マスターがさす手だから良い手だろうと考えて、単にまねをしても、チェスの理解にはならないし、痛い目にあったりする。ということのようです。

私のようなwoodpusherは、何回か失敗して、痛い目にあいながら、少しずつ覚えて、同じ手を食わないようにする、というようにして、上達できるのではないか、と期待しているわけです。マスターの指す手を鵜呑みにしないで、少しずつ自分の経験や思考を重ねながら、理解していく。そんな努力の積み重ねが必要なようです。