2012/12/09

第111回 豊橋交響楽団定期演奏会


.第111回 豊橋交響楽団定期演奏会「安永徹氏・市野あゆみ氏と共に」を聴きに行ってきた。

.豊橋交響楽団
.ヴァイオリン 安永徹 / ピアノ 市野あゆみ

....指揮者がいない!!

曲目
.モーツァルト: ピアノ協奏曲 第24番ハ短調
.マルティノフ: 独奏ヴァイオリンと弦楽合奏のための"Come in!"
.モーツァルト: 交響曲 第24番ハ長調「ジュピター」

.ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で、コンサートマスターを務めていらした安永徹氏とその夫人市野あゆみ氏との、豊橋交響楽団の共演。今回は、「指揮をおかない演奏会」をするという話を聞いた。
.交響楽団で指揮者がいないときには、コンサートマスターの弓さばきを、指揮者の代わりにして演奏をすると言う話を聞いたことはあった。しかし、実際にそのような演奏を、私は見るのも聴くのも始めてである。とても楽しみにしていたコンサートである。

.実際には、団員はコンサートマスターの弓さばきを見てリズムを合わせて演奏しているわけではなかった。コンサートのパンフレットから、自分なりに次のように理解した。
.つまり、演奏者全員が演奏している音楽を聴きながら、自分の音も意識し、調和するように自分の音を出していく。そのように心がそろったところに、美しい響きが生まれる。と言うことのようだ。実際に聞いていて、そのような、演奏者の音への集中力・緊張感を感じて、とても気持ちの良い演奏だった。いい響きを作り出そうという演奏者全員の気持ちが伝わってきて、感動的であった。

安永徹氏の演奏は、以前にも聴いたことがある。そのときにも、音色の美しさに感動した。
.今回も、安永氏の澄んだ艶のある音色を聴くことができた。幸せな気分である。

.また、市野あゆみ氏のピアノも、すばらしかった。優しい音色に感動。普段聴いているピアノの音とは、ぜんぜん違う。同じピアノと言う楽器を使っているのに、なぜこんなに違うのだろうと、不思議に思いながら聴いていた。

.今回の、「指揮をおかない演奏会」の企画は、前回、安永氏が豊橋交響楽団と共に演奏したときに、安永氏から提案されたことのようである。安永氏の、力を合わせていい音楽を作りたいという思いが、このような形のコンサートを考え出された原動力になっていると思われる。指揮者の思う形に楽団を引っ張って行って作る音楽ではなく、演奏する一人ひとり、全員が、しっかり音を聞き、響きあう音を出すことに集中する、良い音を出そうと努力する、そんな、心の響き合いまでも表現された演奏だったと思う。
.さすがだ。感動。

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