この図から、白の次の一手として、次のどちらが良いでしょう。
(1) 1. Rxc5+
(2) 1. Rb8
この図は、『Essential Chess Endings』James Howell p.25 からの引用です。
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(2) 1. Rb8
の方が、良さそう。
(1) 1. Rxc5+ では、ルークを交換して、ポーン・エンディングになります。ポーン・エンディングでは、僅かな優劣の差によって、勝敗が付きやすく、引き分けにくくなります。
残りの駒では互角ですが、黒番のほうが離れた位置にパスポーンがあり、黒有利。白は負けやすくなってしまいます。
(2) 1. Rb8 では、白はポーンを取られ、ポーン1つ損のルーク・エンディング(ルーク・ポーン・エンディング)になります。ルーク・エンディングは、引き分けになりやすくなります。
白としては、(2)のほうが、引き分けに持ち込みやすいと言えるでしょう。
結論として、形勢はすでに白劣勢であることを理解した上で、負けやすい(1)よりも、引き分けやすい(2)の方が、良い手だと言えそうです。
この本を読んでいて、この判断に驚きました。自分などは、残りの駒が互角なほうが、駒損をするよりも引き分けに近いと、単純に考えてしまいがちです。勉強になりました。
このような、判断をするためには、
・ ポーン・エンディングとルーク・エンディングの特徴の理解。
・ ポーン配置による優劣の判断。
が必要です。
このようなエンディングの特徴や、優劣判断の仕方を、学習して行きたいと思っています。
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